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2019年6月に「SATA接続SSDからM.2接続SSDへ交換」の記事を別のWebサイトで記載しましたが、3年以上が過ぎて状況が変化したこともありました。今回は無料アプリ「MiniTool ShadowMaker Free」を使ったクローン作成によるHDDからSSDへ換装する手順を改めて紹介してみます。
尚パソコンの改造をするとメーカーの保証が受けられなくなります。またクローンによる換装は100%成功するわけではありませんので、自己責任でおこなって下さい。
一般的にハードディスクと呼ぶパソコンの記憶装置(ストレージ)にはいくつかの種類と接続規格があります。
HDDとは
HDD(Hard Disk Drive)は、以前から使われている記憶装置で、安価で大容量のデータの保存に適していますが、衝撃に弱く壊れやすく消費電力も高いデメリットもあります。
接続規格はSATA3接続規格が主流で転送速度(連続データーの読込/書込み)は60~150MB/S程度です。
SSDとは
SSD(Solid State Drive)は、不揮発性メモリ(通電していなくともデータを保持できるメモリ)を利用しているのでHDDのように機械的な動作がなく、衝撃に強く消費電力が低いメリットがあります。
接続規格はSATA3で転送速度は最大600MB/Sになります。
HDDとSSDは転送速度が10倍以上違いますが、同じ接続規格なのでほとんどの場合「記憶装置」換装(交換)が可能です。体感的にはSSDからM.2SSDよりもHDDからSSDのほうが体感速度の違いが実感できますし、同じ体験された人達からも喜びの声がよく聞かれます。
M.2 SSDとは
パソコンのマザーボードに直接接続する新しいタイプのSSDなので、マザーボードが対応している必要があります。また構造上熱を貯めやすいので熱対策(ヒートシンク)が必要になる場合があります。
接続規格はPCI Express 3.0×4接続(Gen3 第3世代)では転送速度が1500~3500MB/Sになります。またPCI Express 4.0×4接続(Gen4 第4世代)では最大7500MB/Sも登場してきており、今後もさらなる高速化も理論上可能な規格です。
現在のパソコンに取り付けられているHDDの仕様を確認しておきましょう。
「Windowsボタン」を右クリックして「ディスクの管理」画面を表示画面を表示します。
Cドライブのシステムがあるディスクの番号とハードディスクの容量を確かめておきます。
上図ではディスクの番号が1となっていますが、複数のハードディスクが搭載されている場合は間違えないようにしましょう。一般的に対象はシステムがインストールされたCドライブのあるディスクになります。
フォーマット形式も調べておきます。
対象のディスクをクリックして選択してから右クリックでプロパティをクリックします。
プロパティの画面の「ボリューム」のパーティションのスタイルがGPTかMBRか確かめておきます。
パーティションのスタイルはHDDとSSDで同じにしておく必要があります。
換装用のSSD
家電量販店やAmazonや楽天市場などの通販サイトで購入しておきましょう。容量は同じか大きい容量が良いとされています。容量とメーカーによりますが500GBで5,000円程度から購入可能です。
接続ケーブル
SSDとパソコンを接続するケーブルも用意する必要があります。
また、将来換装して不要になったハードディスクを再利用するのにも使える外付けハードディスク用ケースでもいいでしょう。
その他
ノートパソコンの場合は、ハードディスクの位置がどこにあるから事前に調べておきましょう。メーカーのWebサイトや機種名で検索しておきましょう。
ネジを外して簡単にアクセスできる場合と裏ブタを全て外さないとアクセスできない場合があります。
裏ブタを外す場合には裏ブタのツメを折ってしまったりすることもありますので、専用の工具があると便利です。数百円~購入可能です。
新しいSSDをケーブなどで接続する前に念のため「ディスクの管理」画面を表示しておきましょう。
パソコンが新しいSSDを認識すると「ディスクの初期化」の画面が表示されますので、パーティションのスタイルをGPTかMBR選択する画面が表示されます。HDDと同じパーティションスタイルを選択してOKをクリックします。
未割り当ての新しいディスクが確認できますので、ディスクの番号を確認しておきます。今回の場合はHDDがソースディスクになり、新しいSSDがターゲットディスクになります。
MiniTool ShadowMaker Freeは、2023年9月公開のVer.4.2からシステムディスクのクローンがFree版で利用できなくなり、OSの含まれないディスクのクロー作成だけになってしました。
無料で作成するには、Crucial (クルーシャル)社製やWE(ウェスタンデジタル)社製のSSDになどに付属のクローンソフトを利用する方法もあります。
ディスククローンだけでなく、日常のバックアップをこの際に有料版にアップグレードしてみることもあるでしょう。
新しいSSDの準備ができましたので、「MiniTool ShadowMaker Free」を無料でダウンロードします。
ダウンロードしたファイルからインストールしていきますが、インストールが完了すると「今すぐコンピューターをバックアップしましょう。」と表示されますが、クローン作成が目的なので右上の×で画面を閉じておきましょう。
MiniTool ShadowMakerはパソコンのバックアップに関連する便利な機能もありますので気に入ったら後日利用してもいいでしょう。
MiniTool ShadowMaker Freeの日本語化
初めてMiniTool ShadowMaker Freeを起動すると英語のメニューが表示されます。画面右上の3本線をクリックしてLanguageにあるJapaneseをクリックして下さい。
一旦MiniTool ShadowMaker Freeを終了して再度起動すると日本語化することができます。
- メニューのツールをクリックします。
- ツールの中から「ディスククローン」を選択してクリックします。
- ソースディスクのボタンをクリックして、クローン元のHDDを選択します。
- ターゲットディスクのボタンをクリックしてクローン先の新しいSSDを選択します。
- 選択したディスクが間違っていないか充分確認をしてから「OK」ボタンをクリックします。
ここで間違えるとパソコンが使えなくなりますので、慎重に作業をおこないましょう。
クローンの作成が始まり終了するまで待ちましょう。パソコンの環境やクローン作成する容量によって時間は変わりますが、1TBGのクローン作成で約90分かかりました。
ディスクトップパソコン、ノートパソコンによってハードディスクの場所は異なりますので、予め調べておきましょう。ノートパソコンなどのカバーを外す場合には専用の工具も使って慎重に作業しましょう。
また静電気に注意しながら、ディスクトップパソコンでは電源コンセントを外しておきましょう。ノートパソコンではバッテリーを外してから作業するようにしましょう。
無事作業が終了してWindowsの動作確認も完了したら、もう一度「ディスクの管理」で新しいSSDを見てみましょう。
換装したSSDに未割り当て領域が存在している場合があります。同じ容量のHDDとSSDでも微妙な容量の違いから存在する場合もあります。
未割り当て領域を新しいドライブ、例えばCドライブとは別にDドライブとして利用する方法もありますが、ここではCドライブに未割り当て領域を取り込む(ボリュームの拡張)方法について。
例えばCドライブに未割り当て領域を加えてCドライブの容量を増やしたい場合は、対象のCドライブを選択してから右クックで表示される「ボリュームの拡張」を選択してからウィザードに従って未割り当て領域を取り込んでCドライブのボリュームを拡張することができます。
しかし、Cドライブと未割り当て領域の間に別のパテーションがあると「ボリュームの拡張」ができません。
よくあるケースは、Cドライブと未割り当て領域の間に回復パテーションがある場合です。この回復パテーションを右に移動して、未割り当て領域をCドライブの隣にすることで「ボリュームの拡張」が利用できるようになります。
パテーションの移動にはいくつか方法がありますが、簡単な方法が「MiniTool Partition Wizard 無料版」などのパテーションを操作できるアプリを活用する方法です。
クローン作成した同じメーカーのアプリで、無料でパテーションの移動をすることができます。
具体的な操作方法はここでは割愛しますので、「MiniTool Partition Wizard 無料版」のヘルプを参照して下さい。
移動するパテーションのサイズを事前に確認して移動することがトラブル防止に役立ちますので、こちらも慎重に作業して下さい。
業者に依頼するとHDDからSSDへの換装は40,000円以上する場合もありますが、個人でおこなうには難易度が高くリスクもある作業になります。
市民パソコン教室長野校では、パソコン講習とパソコンの困り事のお手伝いもしています。
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